偽/贋/にせ

意味

偽とは、本物に似せて作ったり、見せかけること。また、そのもの。

偽の語源・由来

にせは、「似せる」「真似る」などを意味する動詞「にす(似す)」の連用形が名詞化した語。
似せることが必ずしも悪い意味とは限らないように、本来「にせ」という語に悪い意味は含まれていなかった。
鎌倉時代から流行した「似絵(にせえ)」は、写実的に描いた肖像画で、悪い意味は全く含まれていない。
しかし、「似せる=本物ではない」というところから、にせには「ごまかす」や「偽造する」などのニュアンスが含まれるようになり、現代では多くが悪い意味で使われている。

漢字「偽」の「為」の原字は、と象の形を表した文字で、人間が象を手なずけるさまを表しており、作為によって本来の性質や姿をなおす意味が含まれている。
その「為」に「人」が付いた「偽」は、人間の作為によって姿を変える、うわべをつくろう意味がある。
「贋」の漢字は、「雁と「貝」からなる字だが、「雁」は格好良く飛ぶを表し、「貝」はお金を表す。
形よく整えた財物を表していたところから、形だけ整えて似せた偽物の意味となった。

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