万年筆
【意味】 万年筆とは、ペン軸に入れたインクが、毛細管現象によってペン先に伝わり字が書けるようにした携帯用のペン。万年ペン。まんねんふで。
【万年筆の語源・由来】
万年筆の歴史は、羽ペンが主流だった1748年、イギリスのヨハン・ジャンセンが考案した金属ペンに始まる。
ただし、ペン軸内部にインクを入れるタイプのものは、1809年にイギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが考案したもので、これが一般に起源といわれる。
この頃から、「fountain pen(泉のペン)」や、「stylographic pen(鉛筆画法のペン)」と呼ばれるようになった。
明治17年(1884年)には、横浜のバンダイン商会が輸入を開始し、丸善などで「針先泉筆」の名で販売され、その直後あたりから「針先泉筆」は「万年筆(萬年筆)」と呼ばれるようになった。
明治18年10月13日の『東京横浜新聞』には、「一種の筆を発明し名づけて万年筆と云ふ」とある。
この読みが、「まんねんひつ」か「まんねんふで」か不明であるが、明治末期頃までは「まんねんふで」と呼ばれることが多かった。
「針先泉筆」は「fountain pen」と「stylographic pen」の意味を含んだ訳であるが、半永久的に溢れ出るものを「泉のように湧く」と言うことから、「万年筆」は「fountain pen」の訳語と考えられている。
明治17年に日本で初めて国産の万年筆を模作した、大野徳三郎による命名といわれるが定かではない。
販売元である丸善の社員でもあったことから、内田魯庵による命名ともいわれるが、内田魯庵が丸善に入社したのは1901年のことなので、「丸善の社員」という理由に関しては採れない。
丸善の販売担当であった金沢万吉が販売に力を注いだことから、彼の名にちなんだ「万さんの筆」からという説もあるが、「針先泉筆」から始まった名が、これほど短期間で変化するとは考え難い。
明治28年(1895年)には、アメリカのL.E.ウォーターマンが1883年に考案した、毛細管現象を利用した実用的な万年筆が輸入され、それまでのものは「針万年筆」、ウォーターマンのものは「ペン付き万年筆」と呼び分けられた。
やがて、ウォーターマンの万年筆が普及し、呼び分けられることはなくなった。
【関連語】
泉(いずみ) | インキ・インク | 鉛筆(えんぴつ) |
書く・描く・画く(かく) | カラス口・烏口(からすぐち) | クレパス |
クレヨン | コンテ | シャープペンシル |
硯(すずり) | 炭・墨(すみ) | 算盤(そろばん) |
チョーク | テンペラ | 年・歳(とし) |
糊(のり) | ハサミ・鋏(はさみ) | パステル |
羽・羽根・翅(はね) | 針(はり) | フェルトペン |
筆(ふで) | 文・書(ふみ) | ペンキ |
ペンシル | ボールペン | ホッチキス |
マジックインキ | 文字(もじ) | 矢立て(やたて) |
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