ホヤ
【意味】 ホヤとは、ホヤ目に属する原索動物の総称。単体または群体をなす。単体のものは球形または卵形で、硬い被嚢(ひのう)で覆われる。岩や海草に付着し、植物のようにも見える。その形状から「海のパイナップル」とも呼ばれる。幼生はオタマジャクシに似て水中を浮游する。「ホヤ貝」と呼ばれることもあるが、貝の仲間ではない。
【ホヤの語源・由来】
ヤドリギの古名「ほや(寄生)」に由来する。
岩に付着し動かないため、その姿がヤドリギの根を張る姿に似ていることから、「ほや(寄生)」を流用したものである。
ランプシェード(ランプのかさ)に当たる「ほや(火屋)」に似ることからとする説もあるが、ランプは開国後に渡来したものであるのに対し、ホヤは平安時代には既に食用とされ、開国以前から「ホヤ」と呼ばれていている。
「ほや(火屋)」が香炉の蓋のことであったとすると、形状は似なくなるため考え難い。
ホヤを食べると強壮効果があり、「夜に保つ」ことから漢字で「保夜」と書き、「ホヤ」と呼ばれるようになったとする説もあるが、「保夜」は「ホヤ」の呼称が成立して以降の当て字なので間違いである。
その他の説では、炎のように赤いことから「ほや(火焼)」、被嚢が張っていることから「ふくは(脹和)」の意味とする説もあるが、いずれも考え難い。
漢字では「海鞘」のほか、ナマコにも似ていることから「老海鼠」の字が当てられる。
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ホヤ・寄生(ほや) | ヤドリギ・宿木(やどりぎ) | 夜(よる) |
ランプシェード |